坂道・スロープ走行の原則

最終更新日: 2026-08-17

平地では優秀なフォークリフトも、坂では一気にリスクが跳ね上がります。「荷は坂の上側」——この一語に集約される原則を、理由から理解しておきましょう。

この記事の目次
  1. 大原則:荷は常に坂の上側
  2. スロープでやってはいけないこと
  3. 段差・渡り板・ホームの実務

大原則:荷は常に坂の上側

荷を積んだフォークリフトの坂道走行は、向きが決まっています。

  • 上り:前進(荷が坂の上側に来る)
  • 下り:後進(バック)(荷が坂の上側に残る)

理由は重心です。フォークリフトは荷を積むと重心が前方に移動します。下り坂で前進すると、傾斜のぶんさらに重心が前へ寄り、荷の滑り落ち・前方への転倒・ブレーキ時のつんのめりが起きやすくなる。荷を上側に保てば、傾斜が重心を車体側へ戻してくれます。

空荷のときは逆で、(重心が車体後方にあるため)下りも前進で構わないとされますが、現場ルールがあればそれに従ってください。

スロープでやってはいけないこと

  • 坂の途中での方向転換・横向き走行:横転リスクが最も高い操作。向きを変えるのは平地に降りてから
  • 坂の途中での駐停車・荷役:やむを得ず止まる場合は輪止めを。坂での爪の上げ下げは重心変動が大きく危険
  • スピードを出した下り:エンジンブレーキ・低速を使い、だらだら下らない
  • 濡れたスロープの通常速度走行:雨天の屋外スロープはタイヤが滑りやすい(雨天作業の記事参照)。速度半分の意識で

段差・渡り板・ホームの実務

  • 小さな段差も正面から低速で:斜めに乗ると荷が揺れ、車体が捻れる。ゆっくり、直角に
  • 渡り板(ドックボード)は定格と固定を確認:フォークリフトの重量+荷の重量に耐える定格か、ずれ止めがされているか。確認せずに乗るのは転落の入り口
  • プラットホームの端に注意:後進時のホームからの転落は重大事故の定番。端に近づく作業では停止位置の目印・声かけ・誘導者を活用

坂と段差は「いつもの操作が通用しない場所」です。少しでも不安を感じたら停止して考える。その数秒をためらわない人が、無事故のオペレーターになります。事故パターンの全体像は事故の記事でも解説しています。

対応する教習機関

メーカー系キャタピラー九州 福岡教習センター

会場:福岡

キャタピラーグループの登録教習機関。建機系の技能講習を幅広く実施。

協会系福岡県労働基準協会連合会

会場:福岡県内各会場

労働基準協会系の教習機関。県内各地で技能講習を開催。

民間JCフォークリフト教習センター

会場:福岡

フォークリフト講習専門の教習センター。Webで日程確認・申込みができる。

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