危険物倉庫と防爆フォークリフト|防爆仕様の仕組みと、普通の車両との違い
フォークリフトの防爆仕様とは、モーターやスイッチの火花、高温になる部品、静電気などが、周りに漂う可燃性ガスや引火性の蒸気に火をつけないように作られた車両のことです。塗料や溶剤を扱う倉庫など、爆発の危険のある濃度に達するおそれのある場所では、労働安全衛生規則で防爆構造の電気機械器具を使うことが求められています。仕組みと危険場所の区分、普通の車両を持ち込めない理由、働く人の注意点を整理しました。
フォークリフトの防爆仕様とは?
電気系の火花や高温部、静電気が着火源にならないよう、構造で封じたフォークリフトのことです。外見は普通の車両とよく似ていても、電気系の密閉、温度上昇の抑制、静電気対策などの中身が別物です。
労働安全衛生規則は、引火性の物の蒸気や可燃性ガスが爆発の危険のある濃度に達するおそれのある箇所で電気機械器具を使うときは、そのガスや蒸気の種類と危険の程度に応じた防爆構造のものでなければ使ってはならないと定めています(第280条)。フォークリフトの電気系もこの考え方で選ばれます。
なぜ危険物倉庫に普通のフォークリフトを入れてはいけない?
普通の車両は、モーターやスイッチの火花、高温の部品、静電気など、着火源になりうるものを多く持っているからです。
- バッテリー式:モーター、接触器、スイッチ、充電の接続部などで火花が出ることがあります
- エンジン式:排気管などの高温部や、電装品の火花があります
- 共通:タイヤや荷の動きで静電気が生じます
労働安全衛生規則は、爆発や火災が起きるおそれのある場所で、火花やアークを出したり高温になったりして点火源となるおそれのある機械などを使うことを禁じています(第279条)。「ちょっと通るだけ」の乗り入れも、境界の表示と現場ルールに従います。
防爆構造にはどんな種類がある?
機器の中で爆発が起きても外に広げない「耐圧防爆構造」、火花のエネルギーを小さく抑える「本質安全防爆構造」など、いくつかの方式があります。
| 方式 | 考え方 |
|---|---|
| 耐圧防爆構造 | 機器の内部で爆発が起きても、損傷せずに耐え、外に広げない |
| 本質安全防爆構造 | 電気を制限して、火花が出ても点火しないようにする |
| 非点火防爆構造 | 正常な状態で周りに点火するおそれがないようにする |
このほかにも、内圧防爆構造や安全増防爆構造などの方式があります。どの方式が使えるかは、次に説明する危険場所の区分で決まります。日本では、防爆構造の電気機械器具に型式検定(Japan Ex)の制度があります。防爆フォークリフトは、こうした方式を部品ごとに組み合わせて作られます。
危険場所の区分(ゾーン)とは?
爆発しやすい雰囲気がどのくらいの頻度・時間あるかで、特別危険箇所・第一類危険箇所・第二類危険箇所の3つに分けます。区分によって、使える防爆構造が変わります。
- 特別危険箇所(ゾーン0):爆発性の雰囲気が連続して、または長時間ある場所。引火性液体のタンクの液面の上などです
- 第一類危険箇所(ゾーン1):正常な作業の中で爆発性の雰囲気ができることがある場所
- 第二類危険箇所(ゾーン2):正常な状態ではできず、できても短時間しかない場所。設備の破損で漏れたときなどです
現場では、区分された範囲が床の線や表示で示されていることがあります。自分の作業範囲がどの区分か、配属の初日に確認しておきましょう。区分は設備や扱う物で決まるので、レイアウトが変わったときも表示を見直します。
危険物倉庫で働く人に求められる知識は?
エリアの境界、扱う荷の性質、静電気対策の3つは最低限おさえておきます。
- エリアの境界:防爆の指定範囲と、普通の車両が入ってよい範囲の境目を確認します。表示の意味が分からなければその場で聞きます
- 荷の性質:引火しやすいか、水に触れると危ないかなどは、ラベルやSDS(安全データシート)で確認できます。漏れや破損のときの対応は事前に教育を受けます
- 静電気:静電気による爆発や火災のおそれがあるときは、接地や除電剤の使用、湿気を与えるなどの措置が求められています(労働安全衛生規則第287条)。帯電防止の作業服や靴の着用ルールがある現場では、指定の装備を守ります
- 関連資格:危険物取扱者(乙種第4類など)は、危険物倉庫の現場で歓迎される資格です(資格の積み上げの記事)
どんな職場で防爆フォークリフトに関わる?
防爆エリアがある職場で最初にすることは?
エリアの境界と、乗り入れてよい車両の決まりを確認することです。防爆仕様の車両にも整備や点検の決まりがあり、部品の交換や改造を勝手にすると防爆の性能が保てなくなります。気になる点は、管理者に確認してから作業に入りましょう。防爆エリアの中で使う携帯電話や工具など、車両以外の持ち込み品にも決まりがある場合があります。危険物が絡む現場は、知識がそのまま安全につながる職場です。これから資格を取る方は、トップページのエリア一覧から教習機関を探せます。
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民間JCフォークリフト教習センター
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