トラックへの積み付けのコツ|荷崩れしない順番と偏荷重の防ぎ方
トラックへの積み付けは、配送の順番の逆から積み、重い荷を下と前に置いて、左右に偏らせないのが基本です。積み方が悪いと、走行中の荷崩れという道路上の事故につながります。積み込み前の確認、ドライバーとの合図、2023年10月から範囲が広がった荷台の昇降設備・保護帽のルールまで、現場で押さえておきたい点を順に説明します。
トラックに積む順番はどう決める?
先に降ろす荷を扉側に置けるよう、配送の順番の逆から積みます。積み込みを始める前に、配送ルートと降ろす順番をドライバーと確認するのが第一歩です。
- 重い荷は下、運転席側(前方)に:重心を低く前に置くと走行が安定します。重い荷を上に載せると、荷崩れと下の荷のつぶれを招きます
- 形と高さをそろえて壁を作る:同じ荷姿をまとめて積むと崩れにくくなります
- 積み付けの指示がある現場はそれに従う:判断に迷う荷は自分で決めずに確認します
偏荷重はどうやって防ぐ?
左右は交互に積んで重さをそろえ、前後は前寄りを基本にしながら極端に寄せすぎないことです。
- 左右のバランス:片側に重い荷が寄ると、カーブでトラックが不安定になります
- 前後のバランス:後ろに寄りすぎると操縦しにくくなり、前に寄せすぎると前の車軸に負担が集中します
- フォークリフト側の能力も守る:重い荷を持つときは、その荷の重さと荷重中心で持てるかを荷重曲線で確かめます(最大荷重と荷重曲線)。許容荷重を超えた使い方は労働安全衛生規則第151条の20で禁止されています
荷と荷の隙間はどうする?
隙間は走行中に荷が動くスペースになるので、なるべく残さないように積みます。埋め木や緩衝材、ラッシングベルトでの固定は主にドライバーの仕事ですが、「固定しやすい積み方」をするのはフォークリフトの運転者の腕です。
パレットを差すときに正面からまっすぐ奥まで差しておくと、荷台の上で荷をずらす手間が減り、隙間も詰めやすくなります。差し方の基本はパレットへの爪の差し方で解説しています。
積み込みを始める前に何を確認する?
トラックが動かない状態になっているか、荷台に入る場所の段差や隙間に危険がないかを確かめます。
- トラックの逸走防止:駐車ブレーキがかかり、輪止めがされているか。作業中にトラックが動き出すのを防ぐため、キーを預かるなどのルールがある現場はそれを守ります
- ホームと荷台の段差・隙間:フォークリフトで荷台に乗り入れる作業では、渡し板の状態も確認します。隙間への落ち込みは重大事故につながります
- 荷とパレットの状態:豊田労働基準監督署のリーフレットの作業計画例では、パレットの強度、割れ・ひび・変形、釘などの突起の有無を確認項目にしています
積み込み作業の流れはどう決めておく?
倉庫から荷を出してトラックに積み、待機場所に戻るまでの経路と、止まって確認する地点を作業計画で決めておきます。豊田労働基準監督署のリーフレットには、トラック荷台への積み込み作業の作業計画の記入例が載っています。流れはおおむね次のとおりです。
- 倉庫で荷を取り降ろし、後進して方向転換する
- 倉庫の出口で一旦停止し、ミラーで確認する
- 決められた制限速度を守って前進する
- 作業指揮者の指示を確認し、誘導者の指示に従ってトラックに積み込む
- 後進で離れて待機場所に入り、別のフォークリフトが通り過ぎてから倉庫へ戻る
同じ記入例では、荷の重さと個数、作業場所の広さや路面、段差・傾斜の有無、誘導者の配置と合図の決め方も書き込む形になっています。毎回同じ場所で一旦停止する習慣がつくと、出会い頭の接触が起きにくくなります。
ドライバーとはどう連携する?
荷台の近くに人がいる作業では、誘導者を決めて一定の合図で動くのが原則です。労働安全衛生規則は、フォークリフトや荷と接触するおそれのある場所に労働者を立ち入らせないこと、立ち入らせるときは誘導者を置くこと(第151条の7)、誘導者を置くときは一定の合図を決めること(第151条の8)を定めています。
- ドライバーの位置を常に把握する:荷台のそばで作業するドライバーとの接触に注意します。「積みます」「離れてください」の声かけを習慣にしましょう
- フォークの下に人を入れない:荷の下への立ち入りは原則禁止です(第151条の9)
- 作業指揮者の指示に従う:複数人で荷役作業をする場合は、作業指揮者のもとで作業計画どおりに進めます(作業計画と作業指揮者)
人との接触を防ぐ考え方は歩行者安全の記事も参考にしてください。
荷台に上がるときのルールは?
最大積載量2トン以上のトラックで荷を積み降ろすときは、荷台に上り下りするための昇降設備の設置が必要です(2023年10月から)。以前は5トン以上が対象でしたが、2トン以上5トン未満が加わりました(第151条の67)。昇降設備には、踏み台のような持ち運べるもののほか、車両に付いている昇降用のステップも含まれます。
同じ改正で、2トン以上5トン未満のうち平ボディ車・ウイング車など荷台の側面が開く車と、テールゲートリフター付きの車(リフターを使う場合)でも、荷の積み降ろしのときに保護帽の着用が必要になりました。使う保護帽は型式検定に合格した「墜落時保護用」です。装備の選び方は安全装備の記事にまとめています。
積み付けが上手な人は何が違う?
対応する教習機関
メーカー系キャタピラー九州 福岡教習センター
キャタピラーグループの登録教習機関。建機系の技能講習を幅広く実施。
協会系福岡県労働基準協会連合会
労働基準協会系の教習機関。県内各地で技能講習を開催。
民間JCフォークリフト教習センター
フォークリフト講習専門の教習センター。Webで日程確認・申込みができる。