「2.5トン車」が2.5トン運べるとは限らない|荷重曲線の見方

最終更新日: 2026-08-01

「2.5トン車だから2トンの荷は余裕」。この判断で転倒します。最大荷重という数字には条件がついていて、その条件から外れると運べる重さは下がります。

この記事の目次
  1. 最大荷重には条件がついている
  2. 高く上げても下がる
  3. ロードチャートを見る
  4. アタッチメントを付けると変わる
  5. 現場でよくある危ない判断

最大荷重には条件がついている

カタログに書かれた最大荷重は、荷の重心がフォークの根元から決められた距離にあるときの値です。この距離を荷重中心距離といい、1トン以上のクラスでは500ミリメートルを基準にしているのが一般的です。

つまり「最大荷重2.5トン」は、荷重中心距離500ミリメートルで2.5トンという意味です。荷が大きくて重心がそれより前に出れば、扱える重さは下がります。

なぜ下がるのか。フォークリフトは前輪を支点にしたてこで釣り合っています。荷が前に出るほど、同じ重さでも前に傾ける力が大きくなります。カウンターウェイト(後部のおもり)で釣り合わせている構造なので、この釣り合いが崩れると前に倒れます。

高く上げても下がる

荷重曲線の考え方(概念図)荷重中心距離(荷の重心までの距離)→許容荷重 →ここまでは定格どおり(基準の荷重中心)荷が大きく重心が前に出るほど持てる重さは下がる
実際の数値は機体のロードチャートで必ず確認する

もう一つの要因が揚高です。フォークを高く上げるほど、許容できる荷重は下がります。重心が高くなると横方向にも前方向にも不安定になるためです。

3段マストや高揚程の機械では、最大揚高付近での許容荷重が定格の半分近くまで落ちることもあります。「棚の最上段に上げたら急に不安定になった」というのは、この領域に入っているからです。

ロードチャートを見る

機体には荷重曲線(ロードチャート)のプレートが貼られています。縦軸に揚高、横軸に荷重中心距離、その組み合わせで許容荷重が読み取れる図です。運転席から見える位置にあります。

実務ではこう使います。

  1. 運ぶ荷の奥行きを測る。重心はおおよそその半分の位置にある
  2. 上げる高さを確認する
  3. チャートでその組み合わせの許容荷重を読む
  4. 荷の実重量がそれを超えていないか確かめる

奥行き1メートルのパレットなら重心はおよそ500ミリメートル、つまり基準どおりです。奥行き1.2メートルの荷なら重心は600ミリメートルになり、許容荷重は下がります。荷が大きくなるほど余裕が減ると覚えておいてください。

アタッチメントを付けると変わる

クランプやロテーターなどのアタッチメントを付けると、その重さのぶんだけ、そして重心が前に出るぶんだけ許容荷重が下がります。アタッチメント装着時の荷重曲線は別に表示されます。標準フォークのチャートで判断しないでください。

詳しくはアタッチメントの種類で解説しています。

現場でよくある危ない判断

  • 荷の重さが分からないまま持ち上げる:表示がなければ、まず持ち上げずに確認する
  • 「浮いたから大丈夫」:浮くことと安定して走れることは別です。持ち上がっても走行中の揺れで倒れます
  • 後輪が浮いた状態で走る:後輪はハンドルを切る輪です。浮いた時点で操作できません
  • 人を後ろに乗せて重しにする:論外です

対応する教習機関

メーカー系キャタピラー教習所 東関東教習センター

会場:千葉県柏市(常磐道柏IC近く)

キャタピラーの登録教習機関。出張講習に対応。

メーカー系コベルコ教習所 尼崎教習センター

会場:兵庫県尼崎市

コベルコ建機グループの教習機関。外国語コース・eラーニングに対応。

メーカー系キャタピラー九州 福岡教習センター

会場:福岡

キャタピラーグループの登録教習機関。建機系の技能講習を幅広く実施。

フォークリフト技能講習の教習機関一覧を見る

関連コラム