「私有地だから資格はいらない」は通用しません

最終更新日: 2026-08-01

「うちは私有地だから免許は要らないよ」と言われた経験がある方は少なくないはずです。これは半分だけ正しく、肝心なところが間違っています。事故が起きたときに困るのは、そう言われた本人です。

この記事の目次
  1. 2つの法律が別々のことを言っている
  2. 資格がないとどうなるか
  3. 1トン未満なら不要、も誤り
  4. 走らせるだけなら?運ぶだけなら?

2つの法律が別々のことを言っている

道路交通法労働安全衛生法公道を「走る」ための法律荷役の「作業をする」ための法律必要なもの:大型特殊免許必要なもの:技能講習/特別教育私有地では適用されない私有地でも適用される「私有地だから要らない」が当てはまるのは左だけ
2つの法律は別のことを規制している

フォークリフトには、まったく性格の違う2つの規制がかかっています。ここを混同すると話がかみ合わなくなります。

道路交通法労働安全衛生法
何を規制するか公道を走ること荷役の作業をすること
必要なもの大型特殊免許(または小型特殊)技能講習の修了証(1トン未満は特別教育)
私有地では適用されない場所に関係なく適用される

「私有地なら免許はいらない」が指しているのは道路交通法の話だけです。ナンバープレートも公道用の運転免許も要りません。ここは正しい。

しかし労働安全衛生法は、公道か私有地かを問いません。事業として荷役作業をさせるなら、場所に関係なく資格が要ります。

資格がないとどうなるか

労働安全衛生法の規制は、働く人ではなく事業者にかかる義務として書かれています。資格のない人に作業をさせた事業者が罰則の対象になります。

実務上、より重いのはその先です。

  • 労災が起きたときに、事業者の安全配慮義務違反が問われる
  • 労働基準監督署の調査が入り、是正勧告や作業停止につながる
  • 元請から現場を止められる。建設現場や大手の物流センターでは、修了証の提示を求められるのが普通です
  • 任意保険で支払いが制限されることがある。約款によっては無資格運転が免責事由になります

「事故が起きなければバレない」で回っている現場はありますが、起きたときの負担は事業者に集中します

1トン未満なら不要、も誤り

もう一つよくある誤解が「小さいフォークリフトなら資格は要らない」です。これも違います。

最大荷重1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育が必要です。1トン未満で必要なくなるのではなく、必要なものが変わるだけです。特別教育は6時間程度で、事業者が自社で実施することもできます。

詳しくは1トン未満のフォークリフトと特別教育で解説しています。

走らせるだけなら?運ぶだけなら?

ここも聞かれます。整理するとこうなります。

  • 構内で荷役をする → 技能講習または特別教育が必要。運転免許は不要
  • 公道を自走で移動する(荷役はしない) → 大型特殊免許が必要。技能講習は不要
  • 公道を通って別の敷地へ移動し、そこで荷役をする両方必要

荷役をする人と公道を走らせる人が別なら、それぞれ持っていれば足ります。ただし現実には両方を1人がやるので、多くの人が技能講習と大型特殊免許の両方を持っています。公道の話はフォークリフトの公道走行で詳しく解説しています。

対応する教習機関

メーカー系キャタピラー教習所 東関東教習センター

会場:千葉県柏市(常磐道柏IC近く)

キャタピラーの登録教習機関。出張講習に対応。

メーカー系コベルコ教習所 尼崎教習センター

会場:兵庫県尼崎市

コベルコ建機グループの教習機関。外国語コース・eラーニングに対応。

メーカー系キャタピラー九州 福岡教習センター

会場:福岡

キャタピラーグループの登録教習機関。建機系の技能講習を幅広く実施。

フォークリフト技能講習の教習機関一覧を見る

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