フォークリフトの作業計画と作業指揮者|安衛則151条の3・151条の4で決めること

最終更新日: 2026-10-01

フォークリフトを使う作業では、事業者が作業計画を定めて関係する労働者に周知し(労働安全衛生規則第151条の3)、作業指揮者を決めて計画どおりに指揮させる(第151条の4)ことが求められています。作業指揮者に特別な資格はいりませんが、作業を見て止められる人を選ぶ必要があります。作業計画に書く項目、毎日作る必要があるのか、一緒に決めるルールを、労働基準監督署の記入例をもとに説明します。

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この記事の目次
  1. フォークリフトの作業指揮者とは?
  2. 作業指揮者に資格は必要?
  3. 作業計画には何を書く?(労働安全衛生規則第151条の3)
  4. 作業計画書は毎日作る必要がある?
  5. 作業計画と一緒に守るルールは?
  6. 現場で事故を減らす決め事は?
  7. 作業計画はいつ見直す?

フォークリフトの作業指揮者とは?

作業計画に沿って作業が行われるように、現場で指揮をとる人です。運転するオペレーターとは別の役割です。労働安全衛生規則第151条の4は、フォークリフトなどの車両系荷役運搬機械等を使う作業について、事業者が作業の指揮者を定め、作業計画にもとづいて指揮を行わせることを求めています。

豊田労働基準監督署のリーフレットは、労働者が複数で荷役作業を行う場合は作業指揮者を配置するよう案内しています。荷を降ろすときに周りを見て止める人がいるかどうかで、はさまれや接触の起きやすさが変わります。

作業指揮者に資格は必要?

特に資格は必要ありません。同じリーフレットは、フォークリフトに関する知識、作業についての知識と経験、職制上の地位などを考えて、適切に指揮できる人を選ぶよう求めています。

  • 向いている人:その作業に慣れていて、周りの動きを見て「止まれ」と言える人。班長やリーダーが選ばれることが多い役割です
  • オペレーターとの兼任:運転しながらでは周りを見きれません。指揮者は運転から離れた位置で全体を見られるようにするのが望ましい形です
  • 計画書に名前を書く:記入例では、作業指揮者の氏名・職制上の地位・その作業の経験年数・フォークリフトの知識の有無を書く欄があります

作業計画には何を書く?(労働安全衛生規則第151条の3)

作業場所の広さと地形、フォークリフトの種類と能力、荷の種類と形に合った計画を定め、運行経路と作業の方法を示して、関係する労働者に周知します。運行経路と作業の方法のどちらかが欠けた計画は、条文の求める形になりません。

豊田労働基準監督署のリーフレットにある作業計画の記入例では、次のような項目を書く形になっています。

区分書く項目の例
作業の中身作業名、運搬の工程(取り降ろし→後進→一旦停止など)、実施期間、作業人数、作業時間
荷品名、荷姿、形状、個数、1個の重さ、移動させる距離
人作業指揮者、運転者(技能講習修了番号・取得年月日・経験年数)、誘導者と合図の決め方
車両と道具車両番号、最大荷重、作業開始前点検・月例検査・特定自主検査の状況、パレットの強度と傷み
場所広さ、路面、屋内外、坂道や段差、幅の狭い所、明るさ、制限速度、作業図(運行経路・立入禁止箇所)

能力の欄はとくに大事です。最大荷重の数字だけを見て「2.5トン車だから2トンの荷はいける」と決めると危険で、荷の重心が前に出るほど、高く上げるほど、持てる重さは下がります(最大荷重と荷重曲線)。

作業計画書は毎日作る必要がある?

条文は「毎日作る」とは定めていません。求められているのは、その作業に合った計画を定めて周知し、それに従って作業することです。先ほどの記入例でも、実施期間の欄に始まりと終わりの日付(または無期限)を書く形になっていて、同じ作業が続く間は1つの計画で運用することが想定されています。

ただし、作業場所・車両・荷が変われば計画も変わります。いつもと違う荷や臨時の作業が入る日は、その作業の計画を立てて周知してください。計画書の最後には、関係する労働者(誘導者・倉庫作業者・トラック運転手など)が確認したサインをもらう欄があります。

作業計画と一緒に守るルールは?

制限速度、誘導者と合図、荷の下への立入禁止、運転位置を離れるときの措置などが、労働安全衛生規則で決まっています。

ルール条文
作業場所に合った制限速度を定め、運転者はそれを守る第151条の5
接触の危険がある場所に立ち入らせない。立ち入らせるときは誘導者を置く第151条の7
誘導者を置くときは一定の合図を決める第151条の8
フォークや荷の下に立ち入らせない(修理・点検で安全支柱などを使う場合を除く)第151条の9
運転位置を離れるときはフォークを最も低い位置に下ろし、エンジンを止めてブレーキを確実にかける第151条の11
乗車席以外に人を乗せない/人の昇降など本来の用途以外に使わない第151条の13・第151条の14

作業の前の点検(第151条の25)も含めて、計画と点検はセットで回します(始業前点検と月例点検)。

現場で事故を減らす決め事は?

計画書に書くだけでは事故は減りません。効いているのは、毎日の動き方に落とし込んだ決め事です。

  • 歩行者とフォークリフトの通路を分ける:線を引く、通路を区分する、死角にミラーを置く(歩行者との接触を防ぐ記事)
  • 後進の前に一旦停止して後ろを見る:バック走行では後方の確認を徹底します
  • 荷を高く上げたまま走らない:重心が上がり、小さな段差でも倒れやすくなります
  • 人をフォークやパレットに乗せない:用途外の使用で、墜落事故の典型です

事故の型はフォークリフト事故の多発4パターンにまとめています。

作業計画はいつ見直す?

レイアウトや扱う荷、使う車両が変わったときが見直しどきです。棚を増やした、トラックの着け方を変えた、車両を入れ替えた、といったタイミングで計画を見直し、もう一度周知します。

ヒヤリとした出来事も見直しの材料になります(ヒヤリハット報告の書き方)。見直した記録が残っていると、労働基準監督署の調査でも、事故のあとの説明でも、取り組みを示しやすくなります。運転者を増やしたいときは、トップページのエリア一覧から近くの教習機関を探せます。

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