雨の日の屋外フォークリフト作業|滑り・視界・荷濡れと雨ざらしの対策
雨の日のフォークリフト作業は、いつもより速度を落とし、確認を増やすのが基本です。濡れた鉄板やスロープは滑りやすく、雨とフードで視界は狭くなり、濡れた段ボールは強度が落ちて荷崩れの原因になります。車両を雨ざらしにすると電装品やバッテリーの不具合につながるおそれもあります。屋外ヤードや庇の下で作業する人向けに、雨の日の対策を順に説明します。
雨の日にフォークリフトで作業しても大丈夫?
作業はできますが、「滑る・見えない・荷が濡れる」の3つに備え、晴れの日と同じ感覚で走らないことが前提です。講習の実技も、コマツ教習所では天候が悪いときでも行い、屋内の実技場があるセンタもある一方、悪天候のときは状況により中止する場合があると案内しています。
屋内用として使っている車両を雨の屋外で使ってよいかは、車両の仕様によって違います。屋外で使う予定があるなら、取扱説明書や販売店で確認しておきましょう。
雨の日に滑らないためには?
雨の日の視界はどう確保する?
「自分が見えにくい」と「相手から見えにくい」が同時に起きるので、ライトを点けて確認の回数を増やします。
フォークリフトには前照灯と後照灯を備えることが労働安全衛生規則(第151条の16)で決まっています。雨の日は昼間でも点けて走ると、周りから気づいてもらいやすくなります。
- キャビン付きの車両:ワイパーやくもり止めが動くかを作業前に確かめます。ガラスの油膜を取っておくと見え方が変わります
- 歩行者も周りが見えていない:雨の日は歩く人もフードや傘で視野が狭くなっています。ライトを点け、必要に応じてクラクションで合図します
- 水たまりの下は見えない:深さや穴、段差が隠れています。いつも通る場所の凹凸を頭に入れ、分からない水たまりは避けます
荷を雨で濡らさないためには?
シートをかける、屋根の下で積み替える段取りにする、雨が弱まるのを待つ、など現場の指示に沿って濡らさない工夫をします。
段ボールは濡れると強度が落ち、段積みの下の箱がつぶれて荷崩れの起点になります。濡れた段ボールを高く積むのは避け、崩れそうな荷は運ぶ前に声をかけて相談しましょう。フォークの爪が濡れた荷の底を傷めることもあるので、差し込みはいつも以上にゆっくり行います。
フォークリフトを雨ざらしにしても大丈夫?
管理する側は雨の前に何を準備する?
屋外の通路の地盤や路肩を確かめ、危ない場所には誘導者を置けるようにしておくことです。労働安全衛生規則は、フォークリフトの転倒や転落を防ぐため、運行経路の必要な幅を保つこと、地盤の不同沈下や路肩の崩壊を防ぐことを求め、路肩や傾斜地で作業するときは誘導者を配置して誘導させることを定めています(第151条の6)。雨で土やじゃりの地面がゆるむ屋外ヤードでは、ふだん以上に注意が必要な場所です。
- 水がたまりやすい場所を把握して、通らないルートを決めておく
- シートや荷を置く屋根下のスペースを空けておく
- 雨の日の制限速度を決めて掲示する:作業場所の地形や地盤に合った制限速度を定めることも規則で求められています(第151条の5)
運転する人の雨具はどう選ぶ?
上下に分かれた作業用のレインウェアと、滑りにくい手袋が基本です。
- ポンチョ型は避ける:すそがレバーや車体に引っかかるおそれがあります
- フードのかぶり方に注意:フードで左右の視界がさえぎられます。ヘルメットとフードの順番や締め方を調整して、横を向いたときに見えるようにします
- 講習を受けるときも用意する:屋外コースで雨の日に実技がある場合に備えて持って行くと安心です。コマツ教習所は雨具の販売をしていないと案内しています(持ち物と服装の記事)
作業を中止する判断は誰がする?
豪雨や雷のときは無理に続けず、作業指揮者や責任者が中止を判断できるようにしておくことです。荷より人の安全が先です。中止の目安や雨の日の運行経路を、あらかじめ作業計画に入れておくと迷いません(作業計画と作業指揮者)。
雨の日は「いつもよりゆっくり、確認を多めに」を合言葉にしてください。これから資格を取る方は、トップページのエリア一覧から近くの教習機関を探せます。
対応する教習機関
メーカー系キャタピラー九州 福岡教習センター
キャタピラーグループの登録教習機関。建機系の技能講習を幅広く実施。
協会系福岡県労働基準協会連合会
労働基準協会系の教習機関。県内各地で技能講習を開催。
民間JCフォークリフト教習センター
フォークリフト講習専門の教習センター。Webで日程確認・申込みができる。